目次
こんにゃくとは?
こんにゃくはこんにゃく芋をすりつぶしたもの、またはこんにゃく芋を乾燥させて粉にしたものを水に溶かし、凝固剤を加えて固めたものです。
こんにゃく芋とは
こんにゃく芋はサトイモ科の植物の肥大した根茎です。
こんにゃく芋は春に種芋を植えつけ、秋に収穫します。収穫した芋を翌春まで保管して植えつけ、秋に収穫します。これを繰り返すことで年々芋が大きくなり、3年目の芋からこんにゃくの原料として利用できるようになります。
こんにゃく芋の寿命は4~5年で、4年目くらいから花芽をつけ始め、花が咲いて実がつくと株は枯れてしまいます。
こんにゃくの歴史
こんにゃく芋の原産地は東南アジアとされており、日本には6世紀ごろに仏教とともに伝わり、初めは薬として利用されていたと考えられています。
食用としてこんにゃくが食べられるようになったのは平安時代ころと考えられており、精進料理の食材として利用されるようになりました。
江戸時代にはこんにゃく芋を乾燥させて粉末にする方法が考案されて通年でこんにゃくが作れるようになり、さらに保存や輸送が可能になったことで、全国的に庶民にも広まっていきました。
こんにゃくの下処理
こんにゃくは、調理の前に下処理としてあく抜きをするのが一般的です。
こんにゃくのあくは、こんにゃく芋に含まれるシュウ酸カルシウムや、凝固剤として使用されている石灰(水酸化カルシウム)で、こんにゃくのえぐみや臭みのもととなることがあります。
また、あく抜きの過程でこんにゃくから水分が抜けて食感がよくなり、味がしみこみやすくなります。
下茹での方法
こんにゃくのあく抜きにはいくつか方法がありますが、鍋で下茹でするのが一般的です。
①こんにゃくを料理に合った大きさに切ります。
②ボールに入れて板こんにゃく1枚あたり小さじ1/2くらいの塩を入れ、手でもんでから水で洗います。
③鍋にお湯を沸かしてこんにゃくを入れ、2~3分茹でてざるにあげて水気をきります。
しっかりと味をつけたり、こんにゃくのにおいが気にならないような調理方法のときは、塩もみは省略しても大丈夫です。茹ですぎると硬くなることがあるので、大きさに合わせて茹で時間は調節しましょう。
「あく抜き不要」のこんにゃく
「あく抜き不要」と表記されているこんにゃくは、こんにゃくの製造工程において、こんにゃく芋のえぐみの成分を取り除いたり、えぐみの少ない凝固剤を使用して作られているので、あく抜きをしなくてもおいしく食べることができます。
調理前に水洗いし、あくやにおいが気になる場合は下茹でをしましょう。
こんにゃくの栄養
食物繊維
こんにゃくの成分はほとんどが水分で、水分を除いた主成分はグルコマンナンという水溶性食物繊維ですが、こんにゃくの製造過程によって使用される凝固剤によって、食物繊維は水溶性から不溶性に変化しています。
一般的な板こんにゃくに含まれる食物繊維は、こんにゃく100g中、水溶性食物繊維が0.1g、不溶性食物繊維が2.1gです。
水溶性食物繊維は水分を吸収して粘性を持ち、胃腸内をゆっくりと移動することで腹持ちがよく、食べ過ぎを防ぐ効果や、大腸内で発酵・分解され、腸内環境を整える効果があります。
また糖質の吸収を緩やかにすることで血糖値の急上昇を防いだり、コレステロールを吸着して体外への排泄を促します。不溶性食物繊維は胃腸で水分を吸収して膨らみ、腸の蠕動運動を活性化して排便を促します。
不溶性食物繊維を多く含む食品の多くはよく噛んで食べるものが多いので、食べ過ぎを防ぎ、あごの発育を促したり、歯並びを整える効果があります。
また噛むことによってワーキングメモリー(短期記憶)の機能が促進されることが示唆されており、認知機能の維持にも役立つと考えられています。
ビタミンB6
エネルギー代謝の補酵素として、主にタンパク質の代謝に必要です。
免疫機能の働きや、皮膚の抵抗力を強くするためにも重要です。神経伝達物資の合成を促進する作用や、女性ホルモンであるエストロゲンの代謝にかかわっており、月経前症候群(PMS)の症状を緩和する効果も期待されています。
カルシウム
カルシウムは骨や歯の形成に必要なミネラルであるほか、筋肉の収縮、神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進などにもかかわっています。
特に閉経後の女性はホルモンのバランスが変化することで骨粗しょう症のリスクが高まることから、年代に関係なく、十分な摂取を心がけたい栄養素のひとつといえます。
こんにゃくのレシピ
【こんにゃくとちくわのピリ辛煮】
【材料】(3人分)
・こんにゃく 250g
・ちくわ 2本
・ごま油 小さじ1
・砂糖 小さじ1
・みりん 大さじ1
・酒 大さじ1
・しょう油 大さじ1
・かつお節 ふたつまみ(2~3gくらい)
・一味唐辛子 適量
【作り方】
1.こんにゃくは、端からスプーンで食べやすい大きさにちぎります。ちくわは5㎜くらいの厚さにスライスしておきます。
2.鍋にお湯を沸かしてこんにゃくを入れて2~3分茹で、ざるにあげて水分をきっておきます。
3.鍋にこんにゃくを入れて中火にかけ、から炒りします。箸でこんにゃくを転がすようにしながら、パチパチと音がするまでから炒りします。鍋底が焦げないように火加減を調節しましょう。
4.水分がなくなったら、ごま油とちくわを入れて炒めます。
5.全体にごま油がなじんだら、砂糖、みりん、酒、しょう油を入れて混ぜ、炒め煮にします。
6.煮汁がなくなるまで煮詰まったら、かつお節を入れて混ぜ、火を止めます。
7.器に盛って、お好みで一味唐辛子をかけてできあがりです。
【こんにゃくとちくわのピリ辛煮の栄養量】
上記の材料で作った場合の、おおよそ1人分の栄養量です。
エネルギー:66Kcal
カルシウム:40㎎
ビタミンD:0.2㎍
タンパク質:3.1g
鉄:0.7㎎
ビタミンB1:0.02㎎
脂質:1.7g
亜鉛:0.2㎎
ビタミンB2:0.03㎎
糖質:7.4g
ビタミンC:0㎎
ビタミンB6:0.03㎎
食塩相当量:1.3g
レチノール活性当量:0㎍
こんにゃくレシピのまとめ
こんにゃくはこんにゃく芋をすりつぶしたものや、乾燥させて粉にしたものを水に溶かし、水酸化カルシウムなどの凝固剤を加えてかためたものです。
食物繊維を豊富に含み、便秘の改善に効果があることから、古くから「お腹の砂おろし」などといわれています。
あく抜きが面倒と思われることもありますが、最近ではあく抜き不要で、味のしみやすいこんにゃくも多く売られています。低カロリーな食材なので、1品物足りないときの常備菜にピッタリの食材です。
食物繊維は毎日摂ることが大切です。食生活の欧米化によって、食物繊維の摂取量は減少傾向にあり、男女問わず全ての年代で不足しているといわれています。
特に肉類を好む、外食に偏りがちな若い年代では不足が顕著であるといわれます。
【まごころケア食】のお弁当は野菜やきのこ類、海藻類など、外食では不足しがちな食材も豊富に使われています。
栄養バランスが整っているだけではなく、食物繊維の不足も補うことができます。ぜひご利用ください。
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