ビタミン豊富な牛肉のトマト煮込み 薄切り肉で手軽に作る

ビタミン豊富な牛肉のトマト煮込み 薄切り肉で手軽に作る
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

ビタミン豊富!牛肉とトマトの栄養

牛肉とトマトには、それぞれに特徴的な栄養素が含まれています。

牛肉の栄養

・タンパク質

タンパク質は筋肉や臓器など、人の体を構成するために欠かせない成分です。また体内のさまざまな代謝にかかわっており、ホルモンの材料になったり免疫機能の維持にも重要です。

タンパク質は約20種類のアミノ酸がさまざまに結合してできていますが、そのうち9種類のアミノ酸は体内で合成できないため食品から摂る必要があり、必須アミノ酸と呼ばれます。

牛肉はアミノ酸バランスの整った良質のタンパク質を含みます。

・ナイアシン

ビタミンB群の仲間で、エネルギー代謝やアルコールの代謝に補酵素として働きます。

ナイアシンは必須アミノ酸であるトリプトファンを材料として体内で合成することができますが、そのときにはビタミンB1、B2、B6が必要です。

ナイアシンが欠乏すると、皮膚や粘膜、消化管や神経系に影響を及ぼし、口角炎や食欲不振、倦怠感、不安感などの症状を引き起こすことがあります。

・ビタミンB12

ビタミンB12は血液中の赤血球と結合して、ヘモグロビンの合成を助けます。またDNAやRNAなどの核酸、アミノ酸、タンパク質の合成に必要です。

・鉄

鉄は赤血球のヘモグロビンの構成成分であり、全身に酸素を運ぶ働きがあります。

不足すると鉄欠乏性貧血を引き起こします。成長期の子どもや月経のある女性、妊娠中には特に意識して摂取したい栄養素です。

またスポーツをする人にも不足しやすい栄養素であり、鉄欠乏性貧血は運動能力にも悪影響を及ぼします。

そのほかにも認知機能の低下や、免疫機能の低下、集中力の欠如や学習能力の低下などの症状を引き起こすことがあります。

・亜鉛

エネルギー代謝や、細胞の新陳代謝にかかわる酵素の成分となります。細胞分裂が盛んな部位では特に必要量が増大するため、胎児の成長や傷の修復には重要といえます。

不足すると皮膚のかさつきや脱毛、胃腸障害、免疫機能の低下、下痢、貧血、精神障害など、様々な症状を引き起こしますが、もっとも代表的な亜鉛欠乏症は味覚障害です。

トマトの栄養

・βカロテン

緑黄色野菜に多く含まれているカロテノイドの一種で、強い抗酸化作用があります。体内では必要に応じてビタミンAに変換され、ビタミンAとしても働きます。

皮膚や粘膜の健康を保ち、免疫機能や視機能を正常に維持するために重要な成分です。

・ビタミンE

強い抗酸化作用を持ち、活性酸素から体を守ります。血行を促進して生活習慣病の予防やアンチエイジングの効果が期待されています。

・ビタミンC

ビタミンCは皮膚や粘膜の健康を維持するために必要です。コラーゲンの生成には必須のビタミンであり、美肌や美白に効果が期待できます。

抗酸化作用を持ち、免疫力を高めたり、ストレスに対して抵抗力を高める効果があります

・カリウム

カリウムはナトリウムとバランスを取りながら働いており、ナトリウムの排泄を促して高血圧を予防する効果が期待されています。

細胞の内外の浸透圧を調整してむくみを解消したり、筋肉の正常な収縮にも必要です。

・リコピン

カロテノイドの一種で赤い色の色素です。非常に強力な抗酸化作用があり、生活習慣病の予防やアンチエイジングの効果が期待されています。

また免疫力を高めたり、ストレスに対する抵抗力を高める働きもあります。

牛肉とトマトの相性

牛肉とトマトはそれぞれの栄養素の不足を補ったり、吸収を促進したりする成分を持つ、相性の良い組み合わせです。

鉄や亜鉛の吸収を促進する

牛肉には鉄が多く含まれています。鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、動物性の食品にはヘム鉄が含まれています。

ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収率が良いのですが、ビタミンCと一緒に摂ることでさらに吸収が促進されます。

同様に、牛肉に多く含まれる亜鉛は吸収率が低いため、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率を上げることができます。

牛肉にはビタミンCはごく微量しか含まれていませんが、トマトと組み合わせることで鉄と亜鉛の吸収率を上げることが期待できます。

リコピンの吸収をアップする

リコピンは油脂と一緒に摂ることで吸収率が上がるといわれています。牛肉に含まれる脂質によって、トマトに含まれるリコピンの吸収率が上がると考えられます。

またリコピンは熱にも強いため、煮込んでもリコピンの量はほとんど変化しません。

うま味の相乗効果

トマトにはうま味成分のグルタミン酸が含まれており、加熱によってグアニル酸も増加します。

牛肉のうま味成分はイノシン酸であり、これらのうま味成分が組み合わさることで、うま味は飛躍的に強くなります。

牛肉のトマト煮込みのレシピ

【牛肉となすのトマト煮込み】

牛肉となすのトマト煮込み

【材料】(4人分)
・牛肩ロース薄切り   200g
・玉ねぎ        1個(200g)
・なす         1本(100g)
・トマト        1個(200g)
・にんにく       1かけ
・オリーブオイル    小さじ2
・酒          大さじ2
・トマト水煮      1缶(240gくらい)
・コンソメ       小さじ1
・ローリエ(あれば)  1~2枚
・ケチャップ      大さじ1
・ソース        小さじ1
・塩          適量
・こしょう       適量

【作り方】

1.にんにくは皮をむいてみじん切り、玉ねぎは皮をむいて洗ってから、3~4㎜のスライスに切ります。

2.なすはヘタを取って洗ってから、1㎝弱の輪切りにします。なすが太い場合は半月切りにしましょう。

3.トマトは洗ってヘタを取り、2㎝くらいの角切りにしておきます。

4.牛肉は大きい場合は、食べやすい大きさに切っておきましょう。

5.鍋ににんにくとオリーブオイルを入れて火をつけます。にんにくの香りがしてきたら、玉ねぎを入れて炒めます。

6.玉ねぎがしんなりとしてきたら、なすを入れて炒めます。

作り方⑥

7.全体に油がなじんだら、鍋の中央を空けて牛肉を入れます。

8.牛肉を炒めて色が変わったら、酒とトマトの水煮、トマトを入れます。材料がひたひたになるくらいに水(分量外)を足します。

9.煮立ってきたらあくをすくって、火加減を調整します。コンソメとローリエ、ケチャップ、ソースを入れて煮込みます。

作り方⑨

10.煮汁が減ってきたら塩とこしょうで味を整えてできあがりです。

作り方⑩

※トマトの酸味が強い場合は、砂糖をひとつまみ加えると酸味がまろやかになります。
※お好みでパセリやサワークリームなどをトッピングしましょう。

【牛肉となすのトマト煮込みの栄養量】

上記の材料で作った場合の、おおよそ1人分の栄養量です。

エネルギー:239Kcal
カルシウム:25㎎
ビタミンD:0.1㎍
タンパク質:9.9g
鉄:1.1㎎
ビタミンB1:0.13㎎
脂質:15.5g
亜鉛:2.6㎎
ビタミンB2:0.13㎎
糖質:10.5g
ビタミンC:18㎎
ビタミンB6:0.31㎎
食塩相当量:1g
レチノール活性当量:57㎍
ビタミンB12:0.9㎍

『牛肉とトマトのレシピ』まとめ

食材にはそれぞれ栄養素が含まれますが、食材の組み合わせによって、さまざまな効果が生まれることがあります。

牛肉とトマトはそれぞれの特徴を生かしあう、相性の良い組み合わせといえます。

日常のお食事でも食材の種類を増やすように意識すると、自然と栄養のバランスがよくなります。しかし忙しいときに多くの食材を扱うのは大変ですし、少量の調理の場合は食材が余ってしまうこともあります。

そのようなときには【まごころケア食】のお弁当をご利用ください。1食のお弁当の中にも多くの食材が使われており、少量では調理しにくい食材なども摂ることができます。

カロリーや塩分に配慮されているお弁当もありますので、ぜひお試しください。

おてがる制限食「まごころケア食」

この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

記事一覧へ戻る