ホタテ|生態や栄養について

ホタテ|生態や栄養について
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ホタテとはどんな食材?

ホタテはイタヤガイ科の二枚貝で、食用として身近な貝のひとつといえます。一般的に「貝柱」というと多くの場合、ホタテの貝柱を指します。

ホタテの生態

ホタテガイは能登半島以北の日本海沿岸、千葉県以北の太平洋沿岸、千島列島、カムチャッカ半島、朝鮮半島北部から沿海州にかけての沿岸に分布し、主に水深20~30mの砂底で植物プランクトンなどをえさとしています。産卵期は3月~6月で、北に行くほど遅くなります。孵化してから4~5年で殻長が15㎝ほどになり、寿命は10年ほどといわれます。

ホタテガイの貝殻は扇形で、表面には放射肋(ほうしゃろく)と呼ばれる波状の起伏が放射状にあります。この放射肋を横切るように、同心円状の成長輪ができています。成長輪は樹の年輪と同様に成長の緩急によってできる模様で、これによってホタテガイの年齢がわかります。

通常は白くやや膨らみのある貝殻側を下にして、海底で殻を少し開けた状態で動かずにいますが、身の危険を感じたときなどは貝の上下を開閉しながら海水を吐き出し、勢いよく水中を泳ぐように移動することができます。通常上側になっている貝殻は平らに近く紫褐色で、下側の白い貝殻よりもやや小さくなっています。

ホタテの解剖

・殻

下にしている白い貝殻を右殻、上にしている紫褐色の貝殻を左殻と呼びます。

・蝶番(ちょうつがい)

貝殻同士をつなぐじん帯です。

・中腸線

蝶番のすぐ近くに通称ウロと呼ばれる中腸線があります。肝臓とすい臓にあたる役割をしています。内部には胃があり、とり込んだえさを消化しています。

・心臓

中腸線の脇にあります。ホタテの心臓は二心房一心室で、動脈と静脈が通っています。

・貝柱

貝殻の中心にあります。貝柱は体の中で最も大きい器官で、殻を開閉するための組織です。ホタテの貝柱は発生の初期には二か所にありますが、大きくなるとひとつは退化してなくなります。

・鰓(えら)

貝柱の周囲を囲むように鰓があります。海水中からえさをとり込んだり、呼吸をする働きがあります。

・生殖巣

ホタテの仲間の多くは雄雌同体ですが、日本のホタテは雄雌異体で、雄の生殖巣は白、雌の生殖巣は赤みのあるオレンジ色をしています。産卵期の近づく12月~4月頃には大きく膨らみ、産卵が終わると縮小します。

・外套膜

通称ヒモと呼ばれ、貝殻の縁に沿うようについています。

・眼

外套膜の上に点在する黒い点が眼です。レンズや網膜がありますが、視機能は光を感じる程度と考えられています。

ホタテの貝毒

ホタテガイは特定のプランクトンを摂取することで中腸線に貝毒を蓄積することがあります。貝毒には麻痺性貝毒と下痢性貝毒があります。

・麻痺性貝毒

フグ毒に似ているものを麻痺性貝毒といいます。多くは食後30分ほどで唇や舌、顔面にしびれを感じます。時間の経過とともに全身に広がり、麻痺に代わります。言語障害、頭痛、嘔吐などの症状があらわれ、死に至ることもあります。

・下痢性貝毒

主な症状は激しい下痢で、腹痛や嘔吐などの消化器症状が現れることがあります。多くの場合は3日程度で回復し、予後は良好です。

いずれも食品衛生法により規制値が設けられています。主要生産地では貝毒の点検を実施して規制値以下であることを確認してから出荷されているので、中腸線をとり除くことで安全に食べることができます。

ホタテに含まれる栄養

ビタミンB12

ビタミンB12 は葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビンをつくるために必要です。また、脳からの指令を伝える神経を正常に保つ働きもあります。

葉酸

タンパク質や細胞をつくるときに必要な核酸の合成に欠かせないビタミンです。ビタミンB12と協力して血液をつくるほか、細胞分裂が活発な胎児の発育に重要な働きがあります。

亜鉛

亜鉛は新陳代謝に必要な反応にかかわる酵素の成分となるほか、タンパク質の合成や遺伝子情報を伝えるDNAの転写にかかわっているため、細胞の新陳代謝の活発なところでは多く必要です。

味覚を感じる細胞は生まれ変わりが早く亜鉛を必要とすることから、亜鉛不足は味覚障害の原因となることがあります。

薬膳の効果

体液を補い、腎の働きを高めるので、滋養強壮効果があります。めまいやのぼせ、視力回復、頻尿などにも有効です。また消化吸収力を高めるので、食欲不振、消化不良、倦怠感の改善にもよいといわれています。

ホタテのおすすめレシピ

殻付きのホタテは貝表面をたわしなどで水洗いし、殻の膨らんでいる方を下にして持ちます。すき間からパレットナイフなどを差し込み、殻に沿って動かして貝柱をはがして殻を開けます。身と殻の間にパレットナイフを入れ、殻に沿って動かして貝柱をもう一枚の殻から外します。黒く見えるウロ(中腸線)の部分はとり除き、捨てます。

食べ方によって貝柱とヒモや生殖巣を分け、塩水で洗ってから調理しましょう。ボイルホタテや冷凍ホタテは、下処理がされているので便利です。

【ベビーホタテとなすのカレー】

ベビーホタテとなすのカレー

【材料】(3~4人分)
・ベビーホタテ(ボイル済み)       160g
・バター                 5g
・なす                  2本
・玉ねぎ                 1個
・合い挽き肉               130g
・にんにく                1かけ
・オリーブ油               大さじ1
・ローリエ                1~2枚
・酒                   大さじ2
・カレールー               適量
・ターメリック、クミン、カルダモン、
ガラムマサラなどお好みのスパイス    適量

【作り方】
1.にんにくは皮をむいてみじん切り、玉ねぎは皮をむいて洗ってから1㎝角くらいに切っておきます。なすは洗ってから縦に4つに割って、1㎝幅のいちょう切りにしておきます。

2.鍋ににんにくと玉ねぎ、オリーブオイルを入れて火をつけ、にんにくの香りがしてきたらひき肉を入れて炒めます。

作り方2

3.初めはひき肉から水分が出てきますが、しばらく炒めていると水分がなくなりひき肉から脂が出てくるので、脂が出てパチパチと音がするまでよく炒めます。

作り方3

4.なすを加えて炒めます。なすは水気が残っているとはねるので、よく水気をきってから入れるようにしましょう。

5.なすに油がまわったら、ひたひたになるくらい水を入れます。酒とローリエを加えて火加減を調節し、玉ねぎとなすに火がとおるまで煮ます。

作り方5

6.いったん火を止めてカレールーを加えて溶かします。カレールーはお好みのものを使い、使用量は商品に記載の量を目安に調節してください。

7.カレールーが溶けたら火をつけ、混ぜながら加熱します。味をみてお好みのスパイスを入れて混ぜ、いったん火を止めておきます。

作り方7

8.ベビーホタテは軽く水洗いし、水気をよくふき取っておきます。フライパンにバターを入れて火をつけ、強火で両面に焼き色をつけるように焼きます。

作り方8

9.ベビーホタテをカレーの鍋に入れ、火をつけて温めます。味をみて、お好みでスパイス、塩、こしょうなどで味を整えてできあがりです。

ホタテレシピのまとめ

ホタテは特徴的な大きな貝柱によって、水中を泳ぐことができる二枚貝です。えさとなるプランクトンの種類によって、貝毒が蓄積することがありますが、食品衛生法によって規制が設けられており、一般的に流通しているホタテは中腸線をとり除くことで安全に食べることができます。ボイルホタテや冷凍ホタテは下処理の必要がなく、手軽に使うことができるので、ぜひ利用しましょう。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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