準完全栄養食といわれる牛乳の栄養

準完全栄養食といわれる牛乳の栄養

牛乳とは

牛乳は牛の乳汁です。日本では成分を調整していない生乳を原料として、均質化処理をして加熱殺菌をしたものが牛乳とされています。牛乳には各種の栄養素がバランスよく含まれており、準完全栄養食品といわれています。

牛乳の歴史

飛鳥・奈良時代、大化の改新のころに百済(くだら)からきた帰化人の子孫である善那(ぜんな)という人が、孝徳天皇に牛乳を献上したのが始まりと考えられています。701年大宝律令で、一定数の酪農家が都の近くに集められ、皇族用の搾乳場がつくられました。日本で一番古い医術書である「医心方(いしんぼう)」には「乳は全身の衰弱を補い、通じをよくし、皮膚をなめらかに美しくする」と記されています。皇族から始まった牛乳の飲用は、平安時代の末期に戦が多くなってくると牛よりも馬が重宝されるようになり、牛乳は飲まれなくなっていきました。江戸時代になり8代将軍徳川吉宗がインドから牛3頭を輸入して、千葉南房総市で飼育を始めました。これが近代酪農の始まりともいわれています。開国して外国人が住むようになると、牛乳の必要性が増し、1866年前田留吉が横浜に牧場を開き、牛乳を販売しました。1871年(明治4年)「天皇が毎日2回ずつ牛乳を飲む」という記事が発表されると、一般庶民にも牛乳の飲用が広まっていきました。

牛乳の種類

<牛乳>

牛から絞ったままの乳を「生乳(せいにゅう)」といい、生乳だけを原料としたものが牛乳です。どの種類も無脂乳固形分(牛乳から乳脂肪と水分を除いた成分)は0.8%以上なので、タンパク質やカルシウムは同等に含まれています。
・牛乳
生乳を均質化処理し、加熱殺菌しただけのものです。水などを加えたり、成分を除去することは「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」により禁止されています。乳脂肪分3.0%以上、無脂固形分8.0%以上を含んでいることが条件づけられています。
・特別牛乳
特別に許可を受けた牧場などの施設で絞った生乳を原料として製造したものです。乳脂肪分3.3%以上、無脂乳固形分8.5%以上です。
・成分調整牛乳
生乳から水分や乳脂肪分、ミネラルなどの一部を除いて成分濃度を調整したものです。遠心分離機で乳脂肪分の一部を除去して乳脂肪分を2~3%に減じたものや、膜処理技術で水分の一部を除去し、より成分が濃厚なものもあります。
・低脂肪牛乳
遠心分離によって生乳から乳脂肪の一部を除去して、乳脂肪分を0.5~1.5%以下に減じたものです。乳脂肪分以外の成分は牛乳と同等です。
・無脂肪牛乳
生乳から乳脂肪分のほとんどを除去し、乳脂肪分を0.5%未満にしたものです

<加工乳・乳飲料>

生乳に乳製品を加えると、加工乳や乳飲料と表示されるようになります。
・加工乳
生乳に脱脂乳や脱脂粉乳、濃縮乳、クリーム、バターなどの乳製品を加えたものです。加えることができる乳製品は乳等省令によって11品目が決められています。無脂乳固形分は8.0%以上と定められていますが、乳脂肪の含有割合に規定はありません。
・乳飲料
生乳や乳製品を主原料に、乳製品以外のものを加えています。乳固形分(無脂乳固形分と乳脂肪分を合わせたもの)は3.0%以上含むことと定められています。カルシウムや鉄、ビタミンDやオリゴ糖などを加えて栄養を強化したものや、コーヒーや果汁、甘味を加えたものなどがあります。また、乳糖の一部を酵素で分解したものも乳飲料の表示がされます。

牛乳の栄養

タンパク質

タンパク質は筋肉や内臓、骨、皮膚、脳、血管など、体を構成するさまざまな細胞や組織をつくるために必要です。さらに体をつくるだけではなく、代謝にかかわる酵素や病原体から体を守る免疫細胞、ホルモンなどをつくるためにも欠かせない栄養素です。牛乳200mlに6.8gのタンパク質が含まれており、体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含みます。牛乳のタンパク質に含まれるカゼインホスホペプチド(CPP)は、カゼインが消化される過程で生成され、小腸下部でカルシウムの吸収を助けます。牛乳のカルシウム吸収率が高いのは、カゼインホスホペプチドの働きによると考えられています。またラクトフェリンには鉄の吸収を調節する働きがあり、貧血の予防や改善に効果が認められています。

乳脂肪

牛乳中の乳脂肪は小さな脂肪球となって分散しており、製造の過程で均質化され、消化されやすくなっています。多くの研究によって乳脂肪が動脈硬化や血管疾患の原因にはならないことがわかっており、高血圧や糖尿病、脳卒中には予防的に働くこともわかってきました。また牛乳を習慣的に飲むことで認知症の予防効果があるといわれ、研究されています。乳脂肪中の短鎖・中鎖脂肪酸との関連性があると考えられており、期待が高まっています。

乳糖

乳糖はカルシウムや鉄分の吸収を助けたり、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整えるために役立ちます。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするという人は、乳糖を分解する酵素の働きが弱いことが原因のひとつと考えられます。その場合は、一部の乳糖を分解した乳飲料を利用しましょう。

カルシウム

牛乳100mlには110㎎のカルシウムが含まれており、コップ1杯(200ml)で成人が1日に必要なカルシウムの約1/3量が摂取できます。牛乳に含まれるカルシウムは小魚などに含まれるカルシウムに比べて吸収率が高く、効率よくカルシウムが摂取できるといえます。

薬膳の効果

牛乳は五臓を補い、肺や胃腸を潤す効果があります。のどの渇きや便秘の解消に効果的で、肌や髪を美しく保つ効果もあります。血を補うので、虚弱体質の人や疲労がたまっているときにも良い食材です。

牛乳のレシピ

牛乳を購入後は速やかに冷蔵庫に入れて保存しましょう。牛乳に記載されている賞味期限は開封前のものです。開封後は賞味期限にかかわらず、2~3日中に飲み切るようにしましょう。注ぎ口に直接口をつけて飲むのは、細菌が繁殖する可能性があるのでやめましょう。

【牛乳寒天】

牛乳寒天

【材料】(作りやすい分量)
・牛乳        400ml
・水         200ml
・粉寒天       4g
・砂糖        45~60g
・ゆで小豆      適量
・きなこ       適量

【作り方】
1.鍋に水と粉寒天を入れ、よく混ぜてから火をつけます。混ぜながら加熱します。
2.牛乳を耐熱容器に入れて、電子レンジで人肌程度に温めておきます。
3.寒天液が沸騰したら火加減を調整し、混ぜながら寒天を煮溶かします。

作り方3

4.寒天がしっかり溶けたら、牛乳を加えて混ぜ、砂糖を加えます。

作り方4

5.ざるでこしてから、器につぎ分けます。表面に泡ができたら、とり除いておきましょう。

作り方5

6.粗熱がとれたらラップをして冷蔵庫で冷やします。
7.ゆで小豆ときなこをトッピングしてできあがりです。

※ 今回はゆで小豆をトッピングするので砂糖は45gで作りました。甘さは控えめなので、お好みで砂糖の量は調節してください。
※ やわらかく作りたいときは牛乳を100ml増やしてください。

まとめ

牛乳は乳等省令によって成分量や表示方法が定められています。良質なタンパク質の他にもバランスよく栄養素を含み、準完全栄養食品といわれています。毎日のお食事に積極的にとり入れましょう。

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