目次
タンドリーチキンとは
タンドリーチキンとは、インド料理のひとつで、ヨーグルトやスパイスに漬け込んだ鶏肉を串に刺して、タンドールと呼ばれる壺窯で焼いたものです。
インドでは骨付きの鶏肉を使用することが多く、骨のない鶏肉を使用した場合は「チキンティッカ」と呼ばれることがあります。
タンドールとは
タンドールはインド料理で使われる、円筒形の土窯です。熱源(火)は下部(底)にあり、食物は上部から出し入れします。燃料は炭や薪を使いますが、現在はガスを利用することも多くなっています。
縦に深い壺形の窯なので、食品を平らに置く場所はありません。串に刺して吊るしたり、立てかけるようにして焼くか、または窯の内側にはりつけて焼きます。ナンやチャパティは窯の内側の壁にはりつけて焼きます。
窯の上方の内壁は直接火にあたって非常に高温になるため、表面はカリッと、中はもっちりと焼きあがります。
タンドール内部は300~500℃と高温になるため、食品を短時間で均一に焼き上げることができ、直火焼きの効果とオーブン加熱の効果の両方があるといえます。
タンドリーチキンは鶏肉を金串に刺しタンドールの中に吊るして(または立てかけて)焼くことで余分な脂が落ち、皮はパリっと中はジューシーに焼き上がります。
さらに鶏肉から脂や水分が落ちて焼けることで、スモーキーな香りも加わります。タンドールは、使い込んでいくと土窯特有の香りが立ち料理の味を良くするといわれており、窯によっても味が変わるともいわれています。
オーブン焼きの特徴
タンドリーチキンを家庭で焼く場合には、オーブンやフライパンなどで焼く方法があります。家庭用のオーブンにはタイマー機能がついているものが多いので、一定時間目を離すことができるため作業効率が良いといえます。
オーブンは熱した空気、または壁面から出る赤外線によって食品を加熱する調理器具です。
現在家庭用として利用されているオーブンはガスや電気を熱源とするものがほとんどで、主に熱風循環式と上下ヒーター式の2つの加熱方式があります。
熱風循環式のオーブンはコンベクションオーブンとも呼ばれ、内蔵されたファンで熱風を循環させて加熱します。上下ヒーター式は庫内の上下にあるヒーターで加熱します。
多くの機種で温度や時間の設定が可能であり、大きなかたまりの食品などを高温で全体にムラなく加熱したい調理に適しています。
タンドリーチキンは初めから高温で加熱するため、オーブンを予熱してから焼き始めます。
現在は庫内温度が300℃程度まで上昇して高温調理が可能な機種もありますが、扉の開け閉めや食品の出し入れの際には庫内温度が下がってしまうことがあります。
主要なスパイス
タンドリーチキンには赤やオレンジなどの色がついていることがあります。これは漬け込むときに使用するパプリカパウダーやチリパウダーなどスパイスの色ですが、中には食紅を使用している場合もあるようです。
タンドリーチキンに使うスパイスに特に決まりはないようですが、主に次のスパイスが使われます。
・パプリカ
パプリカは辛味のない唐辛子で、甘酸っぱいような特有の香りとわずかに苦味があります。パプリカの色素は脂溶性のため、油脂と一緒に使うと色が鮮やかに出ます。
また熱に対しても比較的安定しているため、加熱調理に適しています。
・クミン
セリ科の一年生草本で、別名ウマゼリとも呼ばれます。スパイスとして利用するのは種の部分で、強い香りとほろ苦さがあります。
世界各地で、肉や野菜料理、煮込み料理や炒め物などに広く利用されており、パンやチーズに使われることもあります。
中世ヨーロッパでは、クミンは恋人の心変わりを防ぐと信じられ、結婚式にもポケットにクミンを忍ばせる風習があったといわれます。
・ターメリック
ショウガ科の多年草で、別名ウコンとも呼ばれます。地下茎をスパイスとして利用し、生姜に似た特有の香りとほろ苦さがあります。
料理を黄色く色づけする目的で使われることが多く脂溶性のクルクミンという色素を含みます。
・カイエンペッパー
カイエンペッパーは特定の唐辛子を指しているのではなく、赤く細長い、スパイスに適した品種の総称といわれています。商品によってはチリペッパーと同じスパイスを指していることもあります。強い辛みがあります。
・チリペッパー
赤唐辛子を焙煎せずに乾燥し、粉末にしたものです。
・コリアンダー
セリ科の一年草で、パクチーやシャンツァイ(香菜)と同じ植物を指します。スパイスとして利用されるのは果実で、葉の部分とは異なる柑橘系のさわやかな香りがあります。
・カルダモン
ショウガ科の多年草で、種子をスパイスとして利用します。実が緑色でかたいうちに収穫して乾燥させ、さやを割ると黒または茶色のごま粒大の種子が入っています。
清涼感のある香りとピリッとした辛み、ほろ苦さがあり、少量でも強い香りがあります。
簡単お手軽レシピ
タンドリーチキンは鶏もも肉を使用することが多いですが、鶏むね肉を使用した場合は鶏肉100gあたり約10Kcalのカロリーダウンが可能です。
本場インドでは、焼くときにギー(バターオイル)やバターを塗りながら焼くことがありますが、オーブンで焼く場合は焼くときに油脂を使用しなくても大丈夫です。
フライパンで焼く場合は、焼くときに多少の油脂を使用した方がフライパンにつかず皮がパリッと焼けます。
スパイスはお好みでブレンドすることもできますが、カレー粉を利用すると手軽です。
【タンドリーチキン】
【材料】(鶏もも肉2枚分)
・鶏もも肉(300~400gくらい)2枚
・塩 適量
・こしょう 適量
・プレーンヨーグルト 大さじ3
・ケチャップ 大さじ1
・カレー粉 大さじ1
・オイスターソース 大さじ1
・はちみつ 小さじ1
・にんにくチューブ 小さじ1
・生姜チューブ 小さじ1
【作り方】
1.鶏もも肉は、皮の下についている黄色い脂肪やスジをとり除いてから両面全体をフォークで刺し、塩・こしょうを振っておきます。
2.ビニール袋に鶏肉を入れ、残りの調味料すべてを入れてから、袋の上から軽くもんで調味料を全体にいきわたらせます。ビニール袋の口を結び、冷蔵庫で半日~ひと晩おいておきます。
3.天板にオーブンシートを敷き、皮を上にして鶏肉をのせます。200℃に予熱したオーブンで30~40分焼きます。今回はジャガイモを一緒にのせて焼きました。
※お好みで、カレー粉にパプリカパウダーやチリパウダーなどのスパイスを加えてアレンジしてみましょう。
※オーブンの機種によって焼き時間が異なりますので、焼き加減は様子を見ながら調節してください。
オーブン料理でもう1品
タンドリーチキンは、ヨーグルトやスパイスに鶏肉を漬け込み、タンドールという壺窯で焼いたインド料理のひとつです。
タンドール窯で焼くと特有の風味が出ておいしさも増しますが、家庭ではオーブン手軽に焼くことができます。
オーブン料理というと、予熱が必要で時間がかかるというイメージがあるかもしれません。
確かにオーブンでは大きなかたまり肉などを調理することが多いため、ある程度時間がかかる料理が多いともいえます。
しかし、オーブンに入れてしまえば一定時間は目が離せるので、もう1品、料理を増やすこともできます。お休みの日や時間のある時には、ぜひオーブン料理も試してみましょう。
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