精進料理とはどんな食材?しいたけと豆腐で作ってみよう!

精進料理とはどんな食材?しいたけと豆腐で作ってみよう!
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精進料理について

精進料理とは仏道修行に励むための料理であり、動物の殺生を避け野菜類を中心に作られる料理です。

仏道修行では食事も修行のひとつと考えられており、食事の内容だけではなく、食べるときの心づもりや作法も重要と考えられています。

使用しない食材

仏教では殺生を避けるため、殺さなくては食べることのできない動物は基本的に食材として使用しません。

肉、魚の他、かつお節からとっただし汁も使いません。卵と乳製品は、時代や宗派によっては使用することもあります。

主な食材は穀物と野菜、芋、きのこなどですが、野菜の中にも五葷(ごくん)と呼ばれる主にねぎの仲間は避けられています。

玉ねぎ、長ねぎ、ニラ、にんにく、ラッキョウが五葷にあたります。香りの強いものは避けられており、時代や宗派によっては生姜も避けられることがあります。

基本的にお酒を飲むことは禁じられていますが、調味料としての使用はよいとされています。

もどき料理

肉や魚を使用しない代わりに、植物性の食品を使って、見た目や食感を動物性の食材に見立てて作る料理があります。

豆腐を使って作る「がんもどき」は、もともと肉の代用品として作られるようになったそうですが、現在でも一般的に食べられています。

他にも湯葉やこんにゃくを刺身に見立てたり、しいたけをアワビに似せた料理は中国でも食べられています。

精進料理における、しいたけと豆腐の役割

・しいたけ

精進料理では、きのこ類もよく使われる食材です。中でもしいたけは、「だし」として利用されます。

精進料理ではかつお節でとっただしを使うことができないため、乾燥昆布と干ししいたけでだしをとるのが一般的です。

・豆腐

豆腐をはじめとした豆類は、動物性の食品を使わない精進料理にとって、タンパク源として非常に大切な食材といえます。

江戸時代に出版された「精進料理献立集」では、その約9割が豆腐を利用したものだといわれています。

しいたけと豆腐の栄養と効果

しいたけ

・ビタミンD

しいたけに含まれるエルゴステロールは脂溶性の物質で菌類の細胞膜を構成しています。

紫外線に当たることでビタミンDに代わる性質があるため、生しいたけも数時間紫外線に当ててから利用することで、効率よくビタミンDを摂取することができます。

ビタミンDはカルシウムの吸収を高め、骨への沈着を促進する効果があります。

・ナイアシン

ナイアシンはビタミンB群の仲間です。

食品から摂った糖質や脂質をエネルギーに変える代謝の過程で、酵素の働きを助ける補酵素として働きます。

アルコールの代謝にも補酵素としてかかわっているため、ナイアシンの不足によって二日酔いによる頭痛や吐き気の要因となることがあります。

・食物繊維

食物繊維は人の消化酵素では消化されない成分で、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。

しいたけに含まれる食物繊維の多くは不溶性食物繊維です。

不溶性食物繊維はほとんど形を変えることなく腸まで達し、水分を吸収して膨らむことで腸の蠕動運動を促進し、便の排泄を促して便秘の予防や改善の効果が期待できます。

豆腐

木綿豆腐と絹豆腐では、含まれている栄養素の量や種類に多少の違いがありますが、どちらにも多く含まれている栄養素について挙げます。

・タンパク質

豆腐の原料である大豆に含まれるタンパク質は植物性のタンパク質ですが、肉や魚などの動物性タンパク質と同じくアミノ酸スコアが100の良質タンパク質です。

タンパク質は筋肉や臓器、骨など全身に存在し、体を構成する重要な成分であるほか、正常な免疫機能を維持したり貧血の予防や改善に役立ち、エネルギー源としても利用されます。

・ビタミンK

ビタミンKは血液の凝固にかかわり、出血を止めるために必要です。またカルシウムが骨に沈着するのを助ける働きがあり、骨粗しょう症の治療薬としても利用されています。

・ビタミンB1

ビタミンB1は糖質を代謝してエネルギーに変えるときに必要です。ビタミンB1の不足により糖質がエネルギーとして利用されないと、代謝の過程でできる乳酸が体内にたまり、疲労感を感じることがあります。

・カルシウム

骨や歯の構成成分となります。乳製品や魚介類などにも多く含まれていますが、全ての年齢で不足しがちな栄養素のひとつです。

タンパク質やビタミンDと一緒に摂ることで、カルシウムの吸収や骨への沈着が促進されます。

・マグネシウム

マグネシウムはカルシウムと共に骨や歯を作る働きがあります。また動脈を弛緩させて血圧を下げる働きや、筋肉の収縮にもかかわっています。

・銅

銅は鉄の代謝を助け、貧血の予防に役立ちます。多くの酵素の成分となっているため、乳幼児の成長にも欠かせないミネラルです。

精進料理のレシピ

しいたけのアワビもどきのレシピ

しいたけのアワビもどきでは、大きめで肉厚なしいたけを選びましょう。

しいたけのアワビもどき

【材料】(3人分)
・生しいたけ   直径6~8㎝くらいのもの6個
・木綿豆腐    1/2丁(175g)
・白すりごま   大さじ1
・片栗粉     適量
・甘唐辛子    3個
・ごま油     小さじ2

<あんかけ>
・水       150ml
・しょう油    大さじ2
・みりん     大さじ1
・砂糖      小さじ1

【作り方】

1.木綿豆腐はあらかじめざるにあげて水分をきっておきます。しいたけは水洗いせず、キッチンペーパーなどで汚れを拭きとります。軸をつけ根から切り落とし、石づきを切り落としてからスライスしておきます。甘唐辛子は縦半分に切って、ヘタと種をとり除き、洗って水分を拭きとっておきます。

2.水分をきった豆腐をボールに入れ、フォークなどでつぶし、白すりごまを入れて混ぜておきます。あんかけの調味料を全て混ぜておきます。

作り方②

3.しいたけの内側に、茶こしなどを使って片栗粉を振ります。

作り方③

4.2.の豆腐をしいたけにのせます。空気が入らないようにしっかりと詰めます。

作り方④

5.しいたけの両面にもう一度薄く片栗粉を振ります。

6.フライパンにごま油を入れて火をつけます。しいたけを、豆腐の面を下にして焼きます。空いているところに甘唐辛子も入れて一緒に焼きます。

作り方⑥

7.豆腐の面に焼き色がついたら裏返します。甘唐辛子は焼き目がついたらとり出しておきます。

8.しいたけの両面に焼き色がついたら、合わせておいたあんかけの調味料を入れて煮立てます。しいたけの軸も一緒に入れて煮ましょう。

作り方⑧

9.煮汁にしっかりととろみがついたら器にしいたけと甘唐辛子を盛り、あんをかけてできあがりです。

しいたけのアワビもどきの栄養量

上記の材料で作った場合の、おおよそ1人分の栄養量です。

エネルギー:136Kcal
カルシウム:88㎎
ビタミンD:0.1㎍
タンパク質:6.4g
鉄:1.5㎎
ビタミンB1:0.11㎎
脂質:7.6g
亜鉛:0.9㎎
ビタミンB2:0.11㎎
糖質:8.9g
ビタミンC:11㎎
ビタミンB6:0.15㎎
食塩相当量:1.8g
レチノール活性当量:5㎍
ビタミンB12:0.0㎍

精進料理レシピのまとめ

精進料理は仏道修行に励むための料理であり、殺生を避けるため肉や魚を使わないのが特徴です。

使用する食材は植物性の食品であるため、修行僧にとって豆腐は貴重なタンパク源となります。

しいたけもきのことして調理するだけではなく、干ししいたけをだしとして利用するなど、精進料理には欠かせない食材といえます。

【まごころケア食】ではカロリーや塩分を調整したお弁当も、だしを生かした味付けで物足りなさはありません。

管理栄養士の監修した献立は食材の組み合わせにも工夫がされており栄養バランスも整っています。ぜひお試しください。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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