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コンビーフとはどんな食材?
コンビーフは牛肉を塩漬けにした食品です。コンビーフは英語で「corned beef」と表記し、「corned」は塩漬けの意味です。日本では一般的にほぐした状態で缶詰など容器に詰められて販売されますが、欧米ではブロック肉の方が一般的です。
コンビーフの歴史
コンビーフはイギリス海軍が保存食として作ったものが始まりといわれています。日本へは第二次世界大戦後、進駐軍によって持ち込まれました。戦後間もない1948年(昭和23年)、野崎産業(現在の川商フーズ株式会社)から初めて国産のコンビーフが発売されました。
当初はコップ型のガラス瓶にブリキのふたをした「アンカー瓶」と呼ばれる容器に入って販売されていました。十分な設備のない時代、製造工程には多くの苦労があったため、当時としては高価な食品でしたが、すでに馴染みの味であったコンビーフは庶民にも受け入れられました。
1950年に枕缶と呼ばれる台形の缶に詰めた缶詰のコンビーフが誕生し、高度経済成長と食生活の変化によって人気商品となり、1978年(昭和53年)には年間生産数は3000万缶を超える生産数となりました。
コンビーフとコーンドミート
コンビーフに似た商品で、コーンドミートと呼ばれるものがあります。その違いは、原料が牛肉100%であるかどうかによるもので、日本農林規格によってそれぞれ定義されています。
・コーンドミート
畜産物缶詰又は畜産物瓶詰のうち、食肉を塩漬し、煮熟した後、ほぐし又はほぐさないで、食用油脂、調味料、香辛料などを加え又は加えないで詰めたものをいう。
・コンビーフ
コーンドミート缶詰又はコーンドミート瓶詰のうち、原料の食肉として牛肉のみを使用したものをいう。
コーンドミートのうち、牛肉が20%以上のものは「ニューコーンドミート」や「ニューコンミート」と表示されることもあります。他にも似た食品に「ランチョンミート」がありますが、ランチョンミートはソーセージと同様に、塩漬していない肉のひき肉と調味料や香辛料などの原材料をこねて、型に充填したものです。
コンビーフ缶詰の形
コンビーフ缶詰に特有の台形の缶は枕缶(まくらかん)といい、鍵状の専用道具で缶の側面を巻きとるように開封するのが特徴で、1875年アメリカの会社が特許をとっています。缶を台形の形にすることで、中身を詰めるときにすき間や空洞部分ができにくく、缶にふたをするときに空気が抜けやすいので、品質保持のために有効な形状といわれています。
しかし現在は、缶詰の加工技術が進歩して缶が台形である必要性はなくなっており、コストのかかる枕缶ではなく、プラスチックカップに詰めた商品が販売されるようになっています。コンビーフの国内主要メーカーでも、2020年3月で枕缶のコンビーフ商品の製造を中止しており、枕缶の商品は希少となっていくと思われます。
コンビーフに含まれる栄養
ナイアシン
ナイアシンは水溶性のビタミンでビタミンB群の仲間です。細胞でのエネルギー産生にかかわる酵素を助けるために必要です。皮膚や粘膜の健康を維持するためにも必要で、不足すると発疹や皮膚炎の原因となることがあります。
ビタミンB12
ビタミンB12は葉酸と協力して、赤血球中のヘモグロビンの生成を助けています。不足すると巨赤芽球性貧血という悪性貧血の原因となることがあります。また、脳からの指令を伝える神経の働きを正常に保つためにも必要です。
鉄
血液中の赤血球を作るヘモグロビンの成分です。ヘモグロビンは酸素と結びついて、体のすみずみに酸素を運ぶ重要な役割があります。不足すると赤血球の材料が足りなくなり、鉄欠乏性貧血の原因となります。全身に十分な酸素を運ぶことができなくなるため、動悸や息切れ、頭痛、疲れやすいなどの症状をひきおこします。
亜鉛
亜鉛は新陳代謝にかかわる多種類の酵素の成分となったり、タンパク質の合成や遺伝子情報を伝えるDNAの転写にかかわっています。細胞の新陳代謝が活発な場所では亜鉛が必要となります。口腔内の味を感じる細胞は比較的短期間で生まれ変わるため、亜鉛が不足すると味覚障害をひきおこす可能性があります。
薬膳の効果
コンビーフの原料である牛肉は、骨や筋肉を強くして腰や膝に力をつける作用があるといわれます。体を温める性質があるので、冷えが原因の下痢や食欲不振に効果があります。また胃腸を丈夫にするので食欲が増進し、虚弱体質や無気力、疲労感の改善に役立ちます。
コンビーフのおすすめレシピ
コンビーフの賞味期限は、商品によっても異なりますが比較的長く、開封して加熱せずにそのまま食べることもできるので、備蓄食のローリングストックとしても利用できます。
開封後使い切れないときは、清潔な容器に入れ替えるかラップに包み、冷蔵庫で保存して、できるだけ早く食べきりましょう。ラップでピッタリと包んでから冷凍用の保存袋などに入れ冷凍することもできますが、冷凍の場合もできるだけ早く食べるようにしましょう。
【コンビーフポテト】
【材料】(作りやすい分量)
・じゃがいも 250g
・コンビーフ 80g
・オリーブオイル 小さじ2
・にんにく 1片
・塩 適量
・こしょう 適量
・パセリ粉 あれば適量
【作り方】
1.じゃがいもは洗って皮をむき、芽をとり除きます。厚さ1~1.5㎝くらいのくし切り、または棒状に切り、耐熱のボールに入れます。
2.500Wの電子レンジで2分加熱します。いったん取り出し、加熱むらができないように全体を混ぜ、さらに1分加熱します。つまようじを刺してみて、やや硬い程度に加熱します。硬すぎるときは、様子をみながら追加で加熱してください。
3.フライパンにオリーブオイル入れて火をつけ、じゃがいもを入れて炒めます。じゃがいもを転がしながら表面を焼くようにします。じゃがいもに焼き色がついてきたら、フライパンの中心部分を開けて、にんにくとコンビーフを入れます。
4.中心でコンビーフをくずすように炒めてから、全体を混ぜ合わせます。
5.塩、こしょうで味を整えてできあがりです。器に盛り付け、お好みでパセリ粉をトッピングしましょう。
※ 今回は新じゃがを使ったので、写真では皮をむいていません。
※ じゃがいもの切り方は、じゃがいもの大きさによって調整してください。できるだけ同じ大きさになるように切りましょう。
※ じゃがいもは電子レンジで加熱しすぎると、炒めているうちに崩れてしまうので注意してください。
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コンビーフレシピのまとめ
コンビーフは牛肉を塩漬けにした食品で、日本のコンビーフの多くは、肉をほぐした状態で商品化されています。コンビーフは、台形の枕缶と呼ばれる缶詰で売られているのが特徴のひとつでしたが、現在はプラスチック容器に変わっていて、枕缶の商品は姿を消しつつあります。賞味期限が長く、開封して加熱せずにそのまま食べることができるので、備蓄食としても適しています。コンビーフを日常のお食事にとり入れて、ぜひローリングストックしましょう。
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