しらすの栄養|白い稚魚の総称

しらすの栄養|白い稚魚の総称
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しらすについて

しらすは特定の魚の稚魚ではなく、体に色素が無い白い稚魚の総称です。イカナゴ・ウナギ・カタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシ・アユ・ニシンなどがありますが、主に食用とされるのはイワシの仲間の稚魚です。網で捕獲するときにタコやイカ、エビやカニなどの幼生が混入していることもあります。

しらすの歴史

畳いわし(角干し)は、江戸時代から作られていました。わらを敷いた上に、長方形の角型の枡でしらすをすくって並べて干していました。昭和に入ると庶民の間で金アジの人気が高まり、金アジの撒き餌としてしらすが使われたため、しらす漁が盛んに行われました。戦後の貧しい時代から高度成長期にかけては、畳いわしの生産量が増加していましたが、東京オリンピック以降には一般家庭にも冷蔵庫が普及したことで、天日干しのしらすも流通が可能となり、生産量も増えていきました。

しらすの種類

しらすは、加工方法によって呼び名が変わることがあります。
・生しらす
生しらすは水揚げ後、急速に鮮度が低下するため、通常は水揚げされたその日にしか食べられません。
・釜揚げしらす
生しらすをサッと塩ゆでしたものです。
・しらす干し
水分が7割程度になるまで干したものです。
・ちりめんじゃこ
水分が5割程度になるまで干したものです。しらす干しよりも硬い食感になります。
・畳いわし
生しらす、またはゆでたものを板のりのような形状に干して乾燥させたものです。

しらすの生態

マイワシの産卵期は冬から春、ウルメイワシは4~6月、カタクチイワシは通年で産卵するので、しらすはほぼ通年で獲れますが、しらすのほとんどがカタクチイワシの稚魚といわれています。カタクチイワシの受精卵は水温が16~18℃で3日で孵化します。孵化した直後は全長2.6㎜ですが、孵化後3~4日で3.6㎜に成長します。水温が18℃の場合、10㎜になるまでに約41日、15㎜までは約54日、20㎜になるまでには約68日、25㎜までは約76日かかります。1回に生まれる卵の量は1万数千個といわれますが、しらすの全長が11㎜になるまでに、その99.9%が死んでしまうといわれています。

しらすの栄養価

しらすは稚魚1尾を丸ごと食べることができるため、栄養素を無駄なく摂ることができます。骨やヒレ、内臓などを気にせず食べることができるので、子どもや高齢者、魚が苦手な人でも比較的食べやすいといえます。

タンパク質

筋肉や臓器、皮膚や毛髪などの構成成分であるほか、ホルモンや酵素、免疫機能などさまざまな体の仕組みにかかわる重要な栄養素です。また、炭水化物や脂質ともにエネルギーを産生する栄養素でもあります。タンパク質が不足すると成長が妨げられたり、体力の低下や免疫力の低下などを引きおこす可能性があります。しらすに含まれるタンパク質は動物性タンパク質で、利用効率の高い良質のタンパク質です。

カルシウム

人体に必要なミネラルの中で、体内に最も多く存在するのがカルシウムです。そのほとんどがリン酸カルシウムとして骨や歯に含まれています。しかし、そのごく一部はカルシウムイオンとして血液や筋肉、神経内にも存在しています。成長期に骨格を形成する重要な物質なので、不足すると骨が十分に成長できなかったり、骨粗しょう症の原因にもなります。

ビタミンD

ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種です。カルシウムやリンの吸収を助け、健康的な骨を維持する働きがあります。体内でビタミンDが不足すると、小児ではくる病、成人では骨軟化症という骨の病気を引きおこすことがあります。体内のビタミンDが不足することでカルシウムやその他のミネラルが十分に吸収されず、その結果として骨が弱くなってしまう病気です。しらすはカルシウムとビタミンDを一緒に摂ることができるので、骨の健康維持に効果的といえます。

ビタミンB12

ビタミンB12はコバルトを含む化合物で、別名をコバラミンといいます。水溶性のビタミンで、補酵素としてタンパク質の生合成やアミノ酸や脂肪酸の代謝にかかわっています。赤血球の形成や遺伝物質であるDNAの合成にも必要です。

セレン

セレンは肝臓や腎臓に存在しています。生体内では酵素やタンパク質の構成成分となり、必要量はごくわずかでも、人体にとって欠かせない微量元素です。セレンは毒性の強い元素であり、必要量と中毒量の差が小さいため、サプリメントなどの利用には注意が必要です。動物性の食品に広く含まれており、通常の食事で不足することはないといわれています。

薬膳の効果

胃腸の働きを整え、脳の働きをよくする効果があります。体内の余分な水分を排出する働きもあるといわれます。また意欲がわかない、気分が落ち込むなど精神面の不調にも良い効果が得られると考えられています。

しらすのレシピ

しらすは身が白くてふっくらとしていて、大きさや形がそろっているものを選びましょう。身がボロボロと崩れていたり、色が黄色くなっているものは避けましょう。購入後は冷蔵庫で保存し、早めに食べましょう。使いやすい量に小分けにしてラップで包み、保存用のチャック袋などに入れて冷凍することもできます。

【しらすおにぎり】

しらすおにぎり

【材料】(2~3個分)
・ごはん       300g
・しらす       大さじ2~3
・白ごま       小さじ1~2
・ごま油       小さじ1
・塩         2つまみ

【作り方】
1. 炊き立てのごはんにごま油、塩を入れて軽く混ぜます。
2. ごはんが少し冷めたら、しらすと白ごまを入れて混ぜます。
3. お好みの大きさに握ってできあがりです。

※ 調味料や具の量は、お好みで調節してください。
※ 刻んだ青じそや、ゆかりを一緒に混ぜてもおいしいです。

しらすレシピのまとめ

しらすは特定の魚ではなく、白い色の稚魚の総称です。水揚げされたばかりの生しらすは品質の劣化が早いため、ほとんど産地でしか食べることができません。一般的に流通しているしらすは、加工方法によって水分の残存量が異なり、呼び方も変わります。魚の生臭さもなく、骨や内臓なども気にせず食べることができるので、子どもや高齢者にも食べやすい食材です。冷凍もできるので、日常のお食事に積極的に取り入れましょう。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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