目次
ピーマンとはどんな食材?
ピーマンはナス科トウガラシ属の野菜です。とうがらしの甘味種を改良したもので、一般的に出回っている緑色のピーマンは、未熟な状態で収穫されたものです。
ピーマンの選び方
ピーマンは色が鮮やかでつやがあり、肉厚で肩が張っているものを選びましょう。ヘタの切り口が変色しているものは鮮度が落ちている可能性があります。
購入後はピーマンを水で洗いよく水分を拭きとってから、1個ずつキッチンペーパーなどで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存すると長持ちさせることができます。
洗って水分をよく拭きとり、1個ずつラップで包んでから冷凍用の保存袋に入れて冷凍することもできます。
丸ごと冷凍したときは完全に解凍せず、凍っているうちに切り分けましょう。
使いやすい大きさに切ってから冷凍用の保存袋に入れて空気を抜き、冷凍することもできます。切り分けて冷凍するときはヘタと種は取りましょう。
ピーマンの苦みを減らす
ピーマンはその特有の苦みと青臭さで、子どもが嫌いな野菜としていつの時代も上位にあげられています。
苦みの主な成分は、ポリフェノール類の「クエルシトリン」です。このクエルシトリンに特別強い苦みはないのですが、クエルシトリンの苦みと「ピラジン」という香り成分を一緒に感じることで、両方の刺激が脳で統合されてピーマン特有の苦みと青臭さとなります。
ピーマンの細胞は縦に並んでいるので、ピーマンを縦方向に切ると成分が流出しにくいため苦みを感じにくくなり、歯ごたえも残ります。
またクエルシトリンは脂溶性なので、油通しをしたり油で調理することで苦みが少なくなると考えられます。
ピーマンはヘタが五角形と六角形のものがあり、一般的には五角形のものが多いのですが、栄養状態が良いピーマンはヘタの角が増えるといわれています。
六角形のヘタを持つピーマンは糖度が高いため苦みを感じにくいともいわれています。
ピーマンの種とわた
ピーマンの種やわたには、ビタミンCやA、ビタミンB群などのビタミン類、カリウムなどが含まれています。
さらにピラジンという香り成分は種やわたに多く含まれています。
ピラジンはピーマンの苦みや青臭さの原因のひとつでもありますが、血流を改善する効果があるといわれ、動脈硬化の予防や冷え性の改善、育毛の効果などが期待されています。
ピーマンの栄養と効果
ビタミンC
ピーマンに含まれるビタミンCは加熱しても失われにくいといわれます。人は体内でビタミンCを合成することができないため、食事から摂る必要があります。
ビタミンCの持つ抗酸化力によって活性酸素の増加を抑制して老化を予防したり、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの病気の予防に役立つといわれます。
またビタミンCはコラーゲンの合成には欠かせないビタミンです。
十分なビタミンCの摂取によってコラーゲンの合成を促進し、美肌効果や創傷の治癒を促進する効果が期待できます。ビタミンCはさまざまなストレスによっても消費されます。
不安や緊張といった精神的なストレスだけではなく、天候や気温差、不規則な生活や睡眠不足などもストレスの要因となり、激しい運動や風邪をひいたときにもビタミンCの必要量は増大します。
体内にためておくことができないため、日ごろから意識的に摂取したいビタミンです。
ビタミンK
天然に存在するビタミンKはビタミンK1とビタミンK2の2種類があり、ビタミンK1は主に植物の葉緑体で作られます。ピーマンに含まれるビタミンKもビタミンK1です。
ビタミンKは血を止めるために必要な血液凝固因子を作るのに必要であることから「止血のビタミン」と呼ばれることがあります。
また腸から吸収されたカルシウムを骨に取り込むのを助けたり、骨からカルシウムが排出されるのを抑制する働きがあり、骨粗しょう症の治療薬としても利用されています。
ビタミンB群
ビタミンB群はビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンの8種類です。
ビタミンB群はそれぞれが特定の働きを持つほか、お互いに助け合いながら働いています。
ピーマンに含まれるビタミンB群は突出して多く含まれるものではありませんが、ビタミンB12 以外のビタミンB群が全て含まれており、バランスがよいといえます。
ビタミンB群は全て水溶性であり体内にためておくことができないため、毎日摂る必要があります。
βカロテン
βカロテンは緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイドの一種で、強い抗酸化力を持ちます。体内では必要に応じてビタミンAに変換されて、ビタミンAとしての働きをします。
ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を維持したり、視機能を正常に保つために必要なほか、ビタミンB群やそのほかの栄養素の働きを促進する役割もあります。
ピーマンのおすすめレシピ
今回のピーマンの肉詰めは、種とわたを取り除かずに肉だねを詰めて作ります。
【ピーマンの肉詰め】
【材料】(ピーマン6個分)
・ビーマン(大きめ)6個
・片栗粉 適量
・豚ひき肉 250g
・玉ねぎ 1個(200gくらい)
・パン粉 大さじ2
・牛乳 大さじ1
・塩 小さじ1/4
・こしょう 適量
・クローブ(省略可)適量
・ナツメグ(省略可)適量
・オリーブオイル 小さじ1
・酒 大さじ1
【作り方】
1.玉ねぎは皮をむいて洗い、みじん切りにします。
2.豚ひき肉、玉ねぎ、パン粉、牛乳、塩、こしょう、クローブ、ナツメグをよく練り混ぜます。
3.よく混ざったら、冷蔵庫に入れておきます。
4.ピーマンは洗って水分を拭いて縦半分に切ります。ヘタの部分はとり除きます。
5.ピーマンの内側に、片栗粉を薄くまぶしておきます。
6.3.の肉だねをピーマンに詰めます。種の裏側や隙間にも肉だねが入るように、スプーンなどを使ってしっかり押し込みましょう。
7.フライパンにオリーブオイルを入れて火をつけます。
8.肉だねの方を下にしてフライパンに並べて焼きます。
9.焼き色がついたら裏返して酒を入れて、ふたをして焼きます。
10.ピーマンがやわらかくなったら肉の部分につまようじを刺してみて、透明な水分が出てきたら火が通っているのでできあがりです。
※お好みで中濃ソースやケチャップなどをかけて食べましょう。
【ピーマンの肉詰めの栄養量】
上記の材料で作った場合の、おおよそ1人分の栄養量です。(ソースを除く)
エネルギー:265Kcal
タンパク質:16.8g
脂質:16.3g
糖質:8.9g
レチノール活性当量:43㎍
ビタミンD:0.3㎍
ビタミンB1:0.64㎎
ビタミンB2:0.23㎎
ビタミンB6:0.59㎎
ビタミンB12:0.5㎍
ビタミンC:82㎎
カルシウム:34㎎
鉄:1.5㎎
亜鉛:2.7㎎
食塩相当量:1.1g
ピーマンレシピのまとめ
ピーマンはビタミンCやビタミンK、ビタミンB群などを含む緑黄色野菜です。
特有の苦みや青臭さはクエルシトリンとピラジンという成分によるもので、両方の成分を一緒に感じることで、ピーマン特有の苦みや青臭さとして脳が判断します。
ピラジンは種やわたの部分に多く含まれており、血流を改善する効果があるといわれています。ピーマンの苦みや青臭さは、切り方や調理の方法など少しのコツで軽減できることがあります。
【まごころケア食】のお弁当では、一般的な野菜もいろいろなメニューで盛り込まれています。
管理栄養士監修のメニューで、栄養バランスはもちろん、それぞれの食材の特色を生かした調理方法で、美味しさだけではなく効率的に栄養が摂れるようにと考えられています。
ぜひお試しください。
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