目次
ぶりとはどんな魚?
ぶりは成長とともに呼び名が変わる出世魚です。
冬に能登半島の周辺で獲れる大物の寒ぶりなどは高級魚として扱われますが、養殖もされており、ほぼ通年で購入できる魚のひとつです。
ぶりの背側と腹側
スーパーなどで売られているぶりの切り身には背側と腹側があり、それぞれに特徴があります。
背側の切り身は赤身で比較的脂が少なく、身が締まっています。腹側の方が脂がのっていてやわらかく、濃厚な味わいです。
どちらを選ぶかはお好みですが、背側は脂を残す調理方法、腹側は脂を落とす調理方法が適しているといわれます。
「湯引き」とは
魚の下処理のひとつに「湯引き」があります。熱湯をかけたり、沸騰したお湯にさっとくぐらせることで汚れや臭みをとることが目的です。
表面が白く色が変わることから「霜降り」と呼ばれることもあります。
魚の細胞内にはトリメチルアミンオキシドという成分が存在しますが、魚の死後、体表面に住み着いている微生物などがトリメチルアミンオキシドに作用して、トリメチルアミンという物質に変えます。
このトリメチルアミンが魚の生臭さの原因のひとつです。トリメチルアミンは水に溶けやすい性質を持つため、湯引きによって臭みをとる効果が期待できます。
また湯引きによって魚のうま味成分のひとつであるイノシン酸が増える効果もあるといわれています。
ぶりの栄養と効果
・ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を高めたり、カルシウムが骨や歯に沈着するのを助ける働きがあり、丈夫な骨や歯の形成に必要です。
紫外線を浴びることで体内でも合成されますが、室内で過ごすことが多い場合は意識的に摂りたいビタミンです。
・ビタミンB群
ぶりはビタミンB1、B2、B6、B12などを多く含みます。
ビタミンBの仲間は他にもいくつかあり、それぞれに特有の働きや効果も持ちますが、体内では補酵素としてお互いに協力しあっています。
ビタミンBの仲間は水溶性で、吸収されなかった分は尿などと一緒に排泄されるため、毎日の食事から摂る必要があります。
・DHA、EPA
どちらも魚油に多く含まれている多価不飽和脂肪酸です。DHAは脳内に多く存在することから記憶力や判断力、認知機能などの向上に効果が期待されています。
EPAには血小板凝集抑制効果により血栓を予防する働きがあります。DHAとEPAは相乗効果があると考えられているため、一緒に摂るのが効果的です。
大根とはどんな野菜?
大根はアブラナ科の植物で、日本人には古くから馴染みの深い野菜のひとつです。
大根おろし
大根の部位によって大根おろしの味わいが変わります。
葉に近い上部は辛味が弱く甘みのある部位なので、大根おろしにしたときも食べやすい部位です。
下の部位ほど辛味やアクが強くなるので、辛みのある大根おろしになります。また季節によっても異なり、寒い時期の大根ほど甘みがあるといわれます。
大根をすりおろすときは、皮をむいて片手で持ちやすい大きさに切り、おろし金に垂直に持って円を描くように繊維を断ち切るようにすりおろしましょう。
大根の辛味成分は皮の近くに存在するため、皮ごとすりおろすと辛みが強くなるといえます。
大根の栄養と効果
・ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用をもち、活性酸素の増加を抑制し、動脈硬化など生活習慣病の予防効果が期待できます。
同じく抗酸化作用のあるビタミンEを再生する働きもあります。
ビタミンCはコラーゲンの合成には欠かせないビタミンであるほか、鉄の吸収を促進したり、抗ストレス作用や免疫機能の向上などさまざまな効果がありますが、ビタミンCは水溶性であり、吸収できなかった分は尿中に排泄されてしまうため、毎日の食事から摂る必要があります。
・カリウム
カリウムは体内でナトリウムとバランスをとって働いています。過剰なナトリウムの排泄を促進するため、高血圧の予防や改善に効果が期待できます。
また体内の水分バランスもナトリウムとカリウムによって調整されているため、カリウムの適正な摂取によってむくみの解消にも有効です。
さらにカリウムは筋肉の収縮にもかかわっており、カリウムの不足によってミネラルのバランスが崩れると足がつりやすくなることがあります。
・イソチオシアネート
大根の辛味成分のひとつです。イソチオシアネートにはがん予防、動脈硬化予防、殺菌作用、抗炎症作用、免疫機能の向上など多くの効果が期待されています。
ぶりの簡単レシピ
大根おろしで具材を煮た料理を「みぞれ煮」といいます。
ぶりをみぞれ煮にすると、大根に含まれるタンパク質分解消化酵素によって身がかたくならずにふっくらと煮あがり、脂ののったぶりもさっぱりと食べることができます。
【ぶりのみぞれ煮】
【材料】(2人分)
・ぶりの切り身 2枚
(1枚70~80gくらい)
・大根 15㎝くらい
・片栗粉 適量
・サラダ油 小さじ1
・和風顆粒だし 小さじ1/4
・酒 大さじ2
・みりん 大さじ2
・砂糖 小さじ1/2
・しょう油 大さじ1
【作り方】
1.大根は洗って皮をむき、すりおろします。ざるにあけて自然に水分をきっておきます。
2.ぶりの切り身の両面に、沸騰したお湯を回しかけます。
3.ぶりの切り身の水分をキッチンペーパーなどでよく拭きとり、片栗粉を薄くまぶします。
4.フライパンにサラダ油を入れて火をつけます。フライパンが温まったらぶりの切り身を入れて両面を焼きます。
5.両面に焼き色がついたら、ぶりの切り身をいったん取り出します。中まで火が通っていなくて大丈夫です。
6.フライパンをキッチンペーパーなどで拭きとり火をつけて、水大さじ2(分量外)とすべての調味料を入れて煮立て、ぶりを戻します。
7.大根おろしも加えます。
8.火加減を調節してふたをして加熱します。ぶりに火が通ったらできあがりです。お好みできざんだ青ねぎなどをトッピングしましょう。
※大根おろしの水分量で味の濃さが変わります。ぶりに火が通ってから味見をし、お好みで調味料を調節してください。
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ぶりレシピのまとめ
脂ののったぶりはおいしいですが、魚の生臭みが出てしまうこともあります。ぶりなどの魚は、湯引きなどの適切な下処理によって生臭さをとることができます。
大根おろしを加えて煮る「みぞれ煮」はぶりの身をやわらかく煮ることができ、脂ののったぶりをさっぱりと食べることができます。
ぶりというと照り焼きやぶり大根などのレシピが最初に思いつくかもしれません。
ぶり大根のように定番の料理ももちろんおいしいですが、同じ材料、同じ調理方法でも、また違うおいしさを味わうことができるので、みぞれ煮もぜひ挑戦してみてください。
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