あずきと寒天の使い方|和菓子には欠かせない

あずきと寒天の使い方|和菓子には欠かせない
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和菓子に欠かせないあずきと寒天

和菓子に最も多く使われる食材というと、主にあんこの材料となる豆類です。中でもあずきはなくてはならない食材のひとつです。また寒天もあずきと同様に、ようかんなどの材料として欠かせません。

あずきとはどんな食材?

あずきの歴史

紀元前1世紀に記された中国最古の農業書に、すでにあずきの栽培方法が記されています。日本でも古事記や日本書記に五穀のひとつとして記されており、縄文遺跡からも発見されています。

中国では古くからあずきの煮汁が解毒剤として使われたともいわれており、日本でも薬として利用されていたと考えられています。

またあずきの赤い色が、太陽や火、血などの「生命」を連想させることから、呪術的な力や魔力を持った食材として使われるようになりました。

あずきの種類

あずきには「赤あずき」と「白あずき」があります。一般的に利用されるのは赤あずきで、白あずきは希少なため、高級な白あんの材料として使われます。

赤あずきは「普通小豆(ふつうしょうず)」と「大納言」に分けられ、直径4.2㎜以上の大きさのものを普通小豆、直径5.5㎜以上の大きさを大納言と呼びます。大納言の方が高級品として扱われています。

「つぶあん」と「こしあん」の違い

あずきに含まれるタンパク質は、加熱によって性質が変化して水となじみやすくなり、あんこ特有の舌触りを生みます。つぶあんとこしあんの違いは作り方の違いによって生まれます。

つぶあんはあずきの粒をつぶさないように炊き上げ、こしあんは、あずきを煮てつぶし、布などで濾して皮を除いたなめらかなあんこです。

寒天とはどんな食材?

寒天の歴史

寒天には、海藻の紅藻類であるテングサやオゴノリが使われています。もともとは寒天としてではなく、中国から海藻を使って作る「ところてん」の製法が伝わっていました。

江戸時代になって京都の旅館の主人が、余ったところてんを外に放置しておいたところ、冬の寒さで凍り、自然に乾燥した状態となっていました。これが寒天の始まりといわれています。

寒天の種類

・棒寒天

角寒天とも呼ばれます。四角い棒状の寒天です。使う前に水に浸漬させてから煮溶かします。やや粘りがある食感に仕上がります。

・糸寒天

細い糸状の寒天です。使う前に水に浸漬させてから煮溶かします。やや粘りがある食感に仕上がります。和菓子の材料としてだけではなく、サラダや汁物の具として利用できるように商品化されたものもあります。

・粉寒天

粉末の寒天で、直接水に入れて煮溶かします。浸漬の必要はありません。サクサクとした食感に仕上がります。使用量の調節がしやすく、家庭では使いやすい寒天です。

寒天が固まる仕組み

寒天の主な成分はアガロース、アガロペクチンで、寒天を煮溶かすと、これらの成分の分子構造が壊れますが、冷えると再び網目構造を形成し、その網目の中に水分を閉じ込めることで固まります。

あずきと寒天の栄養

あずきの栄養

あずきには良質のタンパク質と、多くのビタミンやミネラルが含まれています。

・タンパク質

あずきには、わずかに大豆を上回る量のタンパク質が含まれています。アミノ酸スコアは大豆が100なのに対してあずきは82とやや低くはなっていますが、良質のタンパク源といえます。

タンパク質は消化の過程でアミノ酸に分解されます。アミノ酸は筋肉や内臓、髪の毛、爪など、体を構成する成分です。

またホルモンや代謝にかかわる酵素、免疫力を作る抗体の成分でもあり、健康を維持するために重要な役割があります。

・ビタミンB1

ビタミンB1はエネルギー代謝の過程で補酵素として働きます。

特に糖質の代謝には欠かせないビタミンであり、糖質やアルコールの摂取量が多い人や、運動によるエネルギー消費が多い人は意識して摂りたいビタミンのひとつです。

・鉄

鉄は赤血球の材料となって全身に酸素を運ぶ重要な役割があります。不足すると鉄欠乏性貧血をひきおこし、息切れやめまい、食欲不振、倦怠感などの症状が現われることがあります

・ポリフェノール類

あずきにはカテキン、ルチン、アントシアニン、イソフラボンなどのポリフェノールが含まれています。

抗酸化作用によって体内に発生した活性酸素を除去し、生活習慣病の予防やアンチエイジングの効果が期待されています。

植物に含まれるポリフェノールは、調理の際に流出してしまうことも多く、あずきに含まれるポリフェノール類も煮汁に溶け出しますが、あんことして摂取することでより効率よく摂取できるといえます。

寒天の栄養

寒天は100gあたり3Kcalと低カロリーであり、そのおよそ80%が食物繊維です。食物繊維の含有量は、すべての食品の中で最も多いといわれています。

・食物繊維

食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。寒天に含まれる食物繊維について、その含有割合は算出されていませんが、水溶性食物繊維が多いといわれています。

食物繊維には腸内環境を整え、便の量を増やしたり、便をやわらかくする効果によって便秘の解消に役立つほか、血糖値や血清コレステロール値を下げる作用などによる生活習慣病の予防に効果が期待できます。

あずきと寒天のレシピ

【水ようかん 2種】

水ようかん 2種

【材料】(各3人分)
<こしあんの水ようかん> 6×13.5×4.5センチの型使用

・こしあん    150g
・粉寒天     3g
・水       150g
・砂糖      適量

<ゆであずきのやわらか水ようかん>

・ゆであずき   150g
・粉寒天     1g
・水       150g
・砂糖      適量

【作り方】

<こしあんの水ようかん>

1.鍋に水を入れ、粉寒天を入れて混ぜます。

2.混ぜながら加熱します。

3.沸騰したら火を弱めて、混ぜながら数分煮溶かします。

作り方③

4.こしあんを加えて混ぜます。再沸騰したら火を止めます。

作り方④

5.味をみて、甘みが足りなかったら砂糖を足しましょう。

6.なべ底を水にあてて冷まします。とろみがついてくるまで、水を入れ替えながら冷ましましょう。

作り方⑥

7.とろみがついてきたら型に流し入れ、冷蔵庫で冷やしましょう。

作り方⑦

<ゆであずきのやわらか水ようかん>

1.鍋に水を入れ、粉寒天を入れて混ぜます。

2.混ぜながら加熱します。

3.沸騰したら火を弱めて、混ぜながら数分煮溶かします。

4.ゆであずきを加えて混ぜます。再沸騰したら火を止めます。

作り方④

5.味をみて、甘みが足りなかったら砂糖を足しましょう。

6.なべ底を水にあてて冷まします。とろみがついてくるまで、水を入れ替えながら冷ましましょう。

7.とろみがついてきたら器に流し入れ、冷蔵庫で冷やしましょう。お好みで、クリームやきな粉などをトッピングしましょう。

作り方⑦

『あずきと寒天』まとめ

あずきと寒天は和菓子には欠かせない食材です。あずきには良質のタンパク質や豊富なビタミン・ミネラルが含まれています。あんこにして食べることで、煮汁に流出した栄養素も効率よく摂取できるといえます。

寒天は食物繊維の宝庫であり、便秘解消の他にも生活習慣病の予防にさまざまな働きがあることがわかっています。

和菓子は見た目にもきれいで季節感があり、あんこのやさしい甘さや寒天のつるっとしたのど越しは、少量でも満足感のあるおやつです。

おやつを食べると1日の摂取エネルギーがオーバーしてしまうこともありますが、だからといっておやつを我慢してばかりでもストレスがたまったり、つまらない食生活になってしまいます。

【まごころケア食】のお弁当は栄養バランスが整っているだけではなく、エネルギーが調整されているものもあります。食事の内容が整っていることで、安心しておやつも楽しむことができます。ぜひお試しください。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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