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→【きくらげの栄養|カルシウムが豊富!コリコリ食感が美味しい!】
目次
きくらげとはどんな食材?
きくらげはキクラゲ科キクラゲ属のきのこの一種です。コリコリとした食感がクラゲに似ていることから、この名前がついたといわれています。
天然のきくらげは広葉樹の枯れ木などに生えます。
世界中に分布しており、日本、中国、韓国では古くから食用とされていますが、他の国ではあまり食用とされてきませんでした。
現在、一般的に流通しているものの多くは、人工栽培されたものです。
きくらげの歴史
きくらげは日本や中国、韓国では古くから食用とされており、特に白きくらげは、楊貴妃が好んで食べたともいわれています。
日本では、1695年「本朝食鑑」の中に「その色は黒くて、これを食べるとコリコリ音がする」といった記述があります。
また、貝原益軒が野菜をまとめた書籍である「菜譜」(1697年)にも、きくらげの栽培方法が記載されています。
明治政府が編纂した「古事類苑」という百科事典のような書籍には、1626年(寛永3年)に後水尾天皇が二条城に行幸した際に、きくらげがなますの材料として使われたことが記録されています。
きくらげの種類
・黒きくらげ
全体が黒く平らで、ひらひらとしています。コリコリとした食感で中華料理ではよく使われる食材です。
生のものと乾燥させたものがありますが、生きくらげの方がやややわらかい食感です。
一般的に流通している生きくらげの主な生産地は、茨城県や熊本県、北海道などで、乾燥きくらげは中国産のものが多く出回っています。
・白きくらげ
全体が乳白色で平らで、ひらひらとしています。中国では「銀耳」と呼ばれます。
食感は黒きくらげと同様にコリコリとしていて、淡白な味です。白きくらげはシロキクラゲ科シロキクラゲ属なので、黒きくらげとは分類が異なります。
きくらげのイメージは「耳」?
きくらげは漢字で「木耳」と書きます。「耳茸(みみたけ)」と呼んでいた地域もあるようで、いずれも耳を連想して付いた名前だと考えられます。
キクラゲ属の学名はラテン語の「小さい耳・耳たぶ」という意味の「auricula」に由来しているそうで、きくらげは英語でも「Juda’s ear、Jew’s ear(ユダの耳、ユダヤ人の耳)」といいます。
これはキリストを裏切ったユダが首を吊ったニワトコの木から、耳の形をしたきのこが生えてきたことから名づけられたといういわれもあり、海外でも耳に似ていると感じられていたことがうかがえます。
きくらげに含まれる栄養とその効能
きくらげは、中華料理では薬膳にも欠かせない食材のひとつです。さまざまな栄養成分を含み、健康効果が期待されています。
腸内環境を整える、食物繊維
きくらげは水溶性の食物繊維と不溶性の食物繊維の両方を含んでいますが、特に不溶性の食物繊維を多く含み、その量はゴボウの3倍といわれます。
食物繊維といえば便秘の解消や腸内環境を整えるのに有効であることはよく知られていますが、きくらげにはゴボウのように強い繊維がないので子どもや高齢者にも比較的食べやすく、コリコリとした食感を楽しみながらよく噛むことができます。
よく噛むことで満腹感が得られて食べ過ぎが防げたり、脳に刺激が与えられます。
また噛むことは表情筋の運動にもなるので、顔の筋肉のたるみを防ぎ、若々しい表情を保つためにも役立ちます。
免疫力を高める、βグルカン
きくらげの細胞壁には食物繊維の仲間であるβグルカンが存在し、人の体内では免疫機能にかかわるマクロファージやNK細胞、T細胞、B細胞などの働きを活性化したり、免疫にかかわる因子を活性化することで、免疫力を高めると考えられています。
風邪やインフルエンザなど感染症の予防や、アレルギー症状の緩和、がん細胞の抑制などに効果が期待されています。
βグルカンは腸の内壁にある免疫細胞に働きかけるため、空腹時に摂るのが効果的といわれています。中華料理で酢の物や和え物など、前菜にきくらげがよく利用されるのも理に適っているといえます。
骨を強くする、ビタミンD
黒きくらげには、体内でビタミンDに変わるエルゴステリンという成分が豊富に含まれています。
ビタミンDは体内で活性化され、腸管でカルシウムの吸収を促進する働きがあります。そのため血液中のカルシウム濃度が高まり、骨を強くする効果があると考えられます。
またビタミンDには免疫機能を調節する働きがあることもわかっており、風邪やインフルエンザなどの感染症を予防したり、悪化を防ぐためにも有効であるといわれています。
貧血予防に、鉄
きくらげには鉄も多く含まれています。体内の鉄が不足すると鉄欠乏性貧血がおこる可能性があります。
血液の構成成分のひとつである赤血球は、全身に酸素を運ぶヘモグロビンが主成分ですが、ヘモグロビンの合成には鉄が必要です。
体内に鉄が不足した状態だとヘモグロビンの少ない赤血球となり、全身に十分な酸素を運ぶことができなくなるため、めまいや息切れ、疲労感などの症状が現れます。
鉄はビタミンCや動物性のタンパク質と一緒に摂ることで吸収率が高まります。
きくらげを野菜と一緒に酢の物や和え物にしたり、卵と一緒に炒めたりすると、効率良く鉄分が摂れるといえます。
むくみの予防・解消に、カリウム
きくらげはカリウムを多く含みます。白きくらげは黒きくらげよりもさらに多くのカリウムを含んでいます。
カリウムは体内で細胞内液に多く存在して細胞外液のナトリウムと一定のバランスを保っており、ナトリウムの摂り過ぎやカリウムの不足によってバランスが崩れると、カラダはナトリウムの濃度を下げるために水分を引き込みます。
これがむくみの原因となることがあるため、カリウムを摂取することで水分が排泄され、むくみが解消します。
またカリウムは、ナトリウムの排泄を促進する働きがあるので、十分なカリウム摂取によってナトリウムが排泄され、むくみだけではなく高血圧の予防にも効果的です。
薬膳の効果
黒きくらげはミネラル分が多く血流を改善する効果が期待できるので、生活習慣病の予防に良いといわれます。
また、乾いた咳や口渇、乾燥肌にも効果的です。
白きくらげは、中国の四大食用キノコのひとつであり、「不老長寿」の力があるとして珍重されてきました。
肌に潤いを与える食材といわれ、美肌の他にも滋養強壮にも効果があるとされています。
きくらげのおすすめレシピ
生きくらげは肉厚でしっとりとしたツヤのある、色の濃いものを選びましょう。
硬いところがあれば取り除き、洗ってからサッとゆでるか、加熱して食べましょう。
生きくらげは、使い切れない場合は冷凍保存もできます。使いやすい大きさに切ってから保存用のチャック袋などに入れ、できるだけ空気を抜いて冷凍しましょう。
乾燥きくらげは水に浸けて戻してから使います。お湯で戻すと食感が悪くなることがあるので、水でゆっくり戻す方が失敗がありません。
約7倍にも膨らむので、たっぷりの水に浸けて戻し、十分に戻ったら水洗いして、硬い部分を取り除いてから加熱調理しましょう。
【ピリ辛きくらげ】
【材料】(作りやすい分量)
・乾燥きくらげ(黒)…10g
・ごま油…小さじ1
・豆板醤…小さじ1
・砂糖…小さじ1/2
・酒…大さじ1
・みりん…小さじ1
・オイスターソース…大さじ1
・ラー油…適量
・白いりごま…適量
【作り方】
①黒きくらげは水洗いしてから水に浸けて戻します。
②かたい部分を取り除き、千切りにします。
③鍋にごま油を入れて、豆板醤を炒めます。香りがしてきたらきくらげを炒めます。
④酒と砂糖、みりん、オイスターソースを入れ、汁気を飛ばすように炒めます。
⑤最後にラー油と白ごまを入れてできあがりです。
※お好みで、豆板醤とラー油の量で辛さを調節してください。
きくらげレシピのまとめ
きくらげは他のきのことは異なるコリコリとした食感が特徴です。
乾燥きくらげは保存性が高く扱いやすいだけではなく、ビタミンDの含有量は干ししいたけを上回ります。
カロリーも低いので、ぜひ常備して日常のお食事に取り入れてみましょう。
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