食物繊維の宝庫 寒天

食物繊維の宝庫 寒天

寒天とは

寒天は、テングサやオゴノリなどの紅藻類から抽出した粘質物を凍結・乾燥させたものです。

寒天の歴史

寒天はもともと、ところてんから偶然つくられたといわれています。仏教の伝来とともに中国から精進料理が伝わり、精進料理の食材のひとつとしてところてんの製法が伝えられたと考えられています。徳川時代に京都の伏見で旅館を営んでいた美濃屋太郎左衛門が、参勤交代の途中で宿泊した島津公をもてなすために作ったところてんが余ってしまい、外に捨てたところ冬の寒さで凍り、数日経つと水分が抜けて白く「す」が入った状態に変化していました。これを「ところてんの乾物」として販売を始めたといわれています。

寒天の種類と使い方

寒天は製法と形状からいくつかの種類に分けることができます。
・角寒天
四角い棒状の寒天で、棒寒天ともいわれます。角寒天の使い方は、適当な大きさに割って水に浸けもみ洗いします。水を変えて10~30分浸けてやわらかくなったらよく絞り、小さくちぎってから煮溶かしましょう。商品によって多少の誤差はありますが、角寒天1本は約8gで、粉寒天4gと同じ程度の凝固力です。
・糸寒天
細寒天とも呼ばれます。製造方法は角寒天と同じで、煮溶かして使う場合は角寒天と同様に、洗ってから水に浸けてやわらかく戻し、絞ってから煮溶かしてください。煮溶かさずに、そのままサラダや和え物などの具材として使うこともできます。
・粉末寒天
粉末の寒天で、水で戻す必要がなくそのまま煮溶かして使うことができます。

寒天の特性

液体を固めること(ゲル化)ができる寒天ですが、ゼラチンなど他のゲル化剤とは異なる特性があります。
・可逆性
寒天は沸騰した水に溶けて水溶液となり、冷やすことでゼリー化(凝固)します。ゼリー化した寒天は、再度加熱することで溶解し、冷やすとまた固形化します。つまり熱可逆性があるといえます。寒天は耐熱性が高いため溶解するには沸騰させる必要があり、冷蔵庫で冷却しなくても、常温でゼリー化します。
・離水性
液体を寒天でゼリー化したものは、離水が多い性質があります。水分を包み込む力が小さいため、特に切断面からは多く水分が流出します。
・酸や糖度に影響を受ける
寒天は酸によって分解されやすい性質があります。特にpH3以下で高温を保つと、ゼリー強度は著しく低下します。また寒天は糖類を加えるとゼリー強度が増強し、糖度が40%以上になると透明度が増します。この寒天と糖類の反応は、糖の種類や濃度によって変化します。

寒天の栄養

食物繊維

寒天は80%以上が食物繊維で、水溶性食物繊維と不溶性食物戦の両方が含まれています。食物繊維は人の消化酵素の作用を受けずに大腸まで到達し、他の栄養素にはない重要な生理機能があるとされています。
・便秘の予防改善
大腸で食物繊維が水分を吸収して膨張することで便のかさを増し、便のかたさを調整することで、便秘の予防・改善効果があります。また腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整えるためにも必要です。
・血糖値の上昇を抑制する
食物繊維を摂ることで腸壁からの糖の吸収がゆっくりとなり、血糖値の急上昇が抑制できます。
・コレステロール値を低下させる
食物繊維がコレステロールから作られる胆汁酸の排泄を促進するため、血中コレステロール値を下げる効果があります。

ヨウ素

ヨウ素は甲状腺ホルモンの主成分です。甲状腺ホルモンの働きは、基礎代謝を調整したり、成長ホルモンと連携して成長を促進します。

クロム

クロムはすべての細胞に含まれている重要なミネラルです。生活習慣病の予防に効果があるといわれています。

薬膳の効果

体の余分な熱と水分を除き、むくみや便秘の解消に効果的です。寒天は生薬カンテン末として緩下剤としても用いられています。

寒天のレシピ

寒天は種類にかかわらず、直射日光と高温多湿を避けて保存し、開封後は密封できるチャック袋などに入れ、早めに使い切るようにしましょう。寒天を調理するときにはいくつか気をつけるポイントがあります。寒天は液体が冷たい状態で加え、沸騰させて煮溶かします。途中で液体や副材料を加えるときには、冷たい状態で加えると部分的に寒天液の温度が下がり、かたまってしまったり均一に混ざらなくなることがあります。寒天液に酸を加えた状態で煮たてると、かたまりにくくなることがあります。フルーツや果汁を加えるときは、寒天をよく煮溶かした後火を止めて、粗熱が取れてから入れるようにしましょう。寒天は常温でかたまります。冷やして食べるときは、かたまってから冷蔵庫に入れるようにしましょう。かたまりかけているときに寒天液を揺らすと、表面にしわが寄ったり、振動によって水分を包み込む構造が壊れてしまい、しっかりとかたまらなくなることがあります。

【ジャスミンティーの錦玉羹】

ジャスミンティーの錦玉羹

【材料】(縦6.5×横14×高さ4.5㎝の型1個分)
・ジャスミン茶葉      3~4g
・水            250ml
・粉寒天          2g
・グラニュー糖       120g
・水あめ          25g
・甘納豆(小豆)      20g
・ドライマンゴー      20g

【作り方】
1.ジャスミン茶葉に水を注いで5時間ほど冷蔵庫に入れておき、濃く抽出しておきます。ペットボトル飲料のジャスミン茶でも大丈夫ですが、商品によって色や香りが薄いことがあります。ドライマンゴーは甘納豆の大きさに合わせて切っておきます。

作り方1

2.鍋にジャスミン茶を入れ、粉寒天を入れて混ぜてから火をつけます。
3.混ぜながら加熱します。沸騰したら火を弱めて、数分間沸騰を保って寒天を煮溶かします。

作り方3

4.寒天がしっかり溶けたら、グラニュー糖を加えます。
5.グラニュー糖が溶けたら、水あめを加え、再度沸騰したら火を止めます。
6.コンロからおろして、混ぜながら粗熱をとります。
7.型は水でぬらしておきます。寒天型のように内底がない型を使う場合は、取り出しやすいようにキッチンペーパーを敷いておきます。
8.寒天液にとろみがついてきたら、寒天液を1㎝くらいの深さまで流し入れます。

作り方8

9.かたまる前に甘納豆とドライマンゴーを底面に散らします。

作り方9

10.残りの寒天液を甘納豆とドライマンゴーが動かないように静かに注ぎます。

作り方10

11.そのまま静置し、かたまったら冷蔵庫で冷やします。よく冷えたら型から出し、食べやすい大きさに切り分けて、できあがりです。

作り方11

※ 錦玉羹は、液体に対して糖分を多く加えることで透明感が生まれ、切り分けたときの離水を防ぎます。

まとめ

寒天はその80%以上が食物繊維です。煮溶かすことで液体をゼリー化することができます。寒天に含まれる豊富な食物繊維の効果によって、便秘の他にも生活習慣病の予防・改善効果が期待されます。カロリーも低いのでヘルシーなスイーツの他、サラダや和え物などにも気軽に利用してみましょう。

株式会社シルバーライフの【まごころケア食】では、管理栄養士が考えたバランスの良いお食事をご提供しております。健康な毎日のためにぜひお役立てください。

記事一覧へ戻る